深緑野分著「戦場のコックたち」を読みました。
主人公は、祖母が料理人だった影響で、コック兵となった、19歳のティム。
初陣は、1944年月のノルマンディーのパラシュート降下作戦。
最後は、ドイツ軍の降伏。
ゲットーの開放。
各章に、ミステリーの要素が含まれているが、戦況が厳しくになるにつれて、
ミステリーの内容も厳しくなってくる。
軍隊仲間も、戦死するもの、戦争の影響で、精神を病むもの、ティムも大怪我をする。
(民間人への爆撃のニュースを聞いて)
「世間じゃ問題になってるそうですよ。ナチスの降伏は間近なのに、これは過剰な攻撃だと。」
「そんなの戦ってもいない奴らの戯言だ。」
「でも死んだのは罪もない一般人ですよ。」
「罪もないだと?独裁者を選んだのは誰だ?軍国主義と侵略に賛同したのは誰だ?
「戦争を始めるままにさせておいたのは誰だ?」p421より引用
「戦争を始めるように仕掛けたのは誰だ?」
と言いたいですね。
戦争、そのものの悲惨さ、実情が、いつまでも、心に残り、次の本を購入したにもかかわらず、手を付けられずにいます。
ノルマディー作戦が、日本人の手で日本語で書かれ、それが読めるのは、素晴らしい事でした。