牛乳は、飲むと体に良いと言われます。
しかし、「牛乳を飲むと下痢をするから、飲めない。」という人が多いです。
「どのくらいの日本人が牛乳を飲めるのだろうか。」ということで、福岡での試験です。
牛乳には、乳糖が含まれます。
乳糖を分解できる細菌は、よい細菌、分解できない細菌は、よくない細菌と言われます。
人乳にも、乳糖が含まれます。
母乳を飲んで育つ赤ちゃんの大腸の中の細菌をできるだけよいものにするために、母乳には乳糖が含まれていると考えられています。
しかし、日本人は、成長する過程で、乳糖分解酵素(ラクターゼ)の活性を失う人が多いです。
ラクターゼ活性が残っている人は、乳糖は小腸で分解されて、グルコースとガラクトースになります。グルコースは、吸収されてエネルギーになり、ガラクトースは、脳神経系の構成成分になります。
ラクターゼの活性が落ちた人は、乳糖は大腸まで届き、そこで腸内細菌に分解され、
グルコースとガラクトースになり、さらに腸内細菌でCO₂(二酸化炭素)、H₂(水素)、短鎖脂肪酸に分解されます。
CO₂とH₂は、腸の壁から吸収され、呼気として、体外に出て行きます。
人間の呼気には、ほとんど、H₂は含まれません。
このH₂を集め、H₂が多い人が、ラクターゼ活性が落ちている人と判定します。
これを呼気水素試験(BHT)と言います。
50人の人が20gの乳糖を飲みます。(牛乳450mlと同じ乳糖の量)
腹部症状が出た人15人、全員BHT陽性(呼気に出たH₂の量が20ppm以上)。
腹部症状の出なかった35人のうち、10人(28.5%)がBHT陽性(>20ppm以上)。
お腹が鳴ったり、張ったりはしませんが、乳糖は、小腸で分解できていません。
大腸で、細菌が、乳糖を速やかに分解したり、大腸そのものが、乳糖が存在することに耐えられる人です。
8人(22.9%)が境界域(13ppm<、≦20ppm)で、17人(48.6%)が陰性(≦13ppm)。
50人中17人が乳糖をよく分解できる人であり、8人が、中間です。
この人達は、小腸で乳糖が分解できていることになります。
乳糖を分解できる人は、シルクロードの彼方から日本にやって来た人達(京都の秦氏とか)の遺伝子を引き継いでいる、と言うことができると思います。
秦氏のDNAを持った人たちが、多いようですね。
福岡だからかもしれません。
プリムラ・マライコダス