人生は80から

人生100才時代。健康に豊かに楽しく過ごすには

今週のお題「私の好きな歌」 春が来た

今週のお題「わたしの好きな歌」

きっと、みなさまは、素敵な歌の記憶を持っておられることでしょう。

私の好きな歌の記憶、それは童謡「春が来た」です。

 

母は最晩年認知症になりました。

 

spring211.hatenablog.com

私は、2週間に1回大阪から、香川県介護施設にいる母を訪ねていました。

あるとき、息子と娘が一緒に行ってくれました。

3人で母の部屋に入ると母は、娘を見て

「あなた、〇ちゃん(息子の事)のお嫁さんでしょう。△家(母の実家)の嫁らしく、背が高いね」

母は自分の孫娘の事を忘れている!

娘は黙って横を向いてしまいました。

 

その時、息子は、

「おばあちゃん、久しぶりだね。元気そうだ。今日は、一緒に歌を歌おうよ」と言い出しました。

「僕が歌うから、おばあちゃんも一緒にね」

と言って

大きな声で

「は~るがき~た は~るがき~た どこにき~た」

と歌いだしました。

息子が歌を歌うことなど聞いたこともありませんでした。

母も小さな声で続けます。

「や~まにき~た さ~とにき~た 野にもき~た」

 

2番は私も娘も一緒に歌いだしました。

「は~ながさ~く は~ながさ~く どこに咲く」

母もしっかり歌っています。

 

3番も、母は歌詞をしっかり覚えていました。

 

息子も娘も私も母が歌えたことがうれしくて、思わず3人で拍手をしました。

 

1時間余り4人で、歌い続けました。

母は、童謡の歌詞を最後までしっかりと覚えていました。

故郷(兎追いしかの山)、春よ来いとか、靴が鳴るとか、結んで開いてとか

結んで開いての時は4人で最後は子供のように手を上に揚げました。

母のうれしそうな顔。

 

しばらく歌って娘が

「おばあちゃん、ちょっとトイレに入ってくれるね」部屋を出ました。

「今日はもう帰るよ」というと寂しがる母に部屋を出るとき、いつも言う言葉です。

悲しいことですが、母は2~3分過ぎると、娘がそこにいたことを忘れてしまうようです。

「俺も、トイレへ行ってくる」

息子も部屋を出てゆきました。

 

そのあと、お土産のプリンを母の口のに運びました。

母は、今歌を歌ったことどれだけ覚えていたのでしょうか。

プリンを2個食べて3個目が欲しいという母に

「晩御飯が食べられなくなるよ」

と、押しとどめました。

 

そして、私も「トイレへ行ってくるね」と部屋を出ました。

部屋の外から見た母は、黙ってベッドに横になり、天井を眺めていました。

私はそのころ、翌日の仕事がありました。

母は、その日、自分の孫たちが来たこと、覚えてはいのないでしょう。

2週間後に、母と会った時、私が「結婚している」というと、

「よかったね、結婚出来て」と答えてくれましたから。

f:id:spring211:20190708062351j:plain

もう、桔梗が咲いています。

母は、桔梗が好きでした。